病態

半月板後根断裂に対する手術と保存療法の比較

Repair versus nonrepair of medial meniscus posterior root tear
-A systematic review of patients’ selection criteria, including
clinical and radiographic outcomes
Medicine (Baltimore). 2020 

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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32150112/

背景

内側メニスカス後根部断裂(MMPRT)に対する様々な治療法の中から合理的な治療法を選択することに関する一般的なコンセンサスはまだ明確に確立されていない。本システマティックレビューの目的は、MMPRT患者の指標関節症に基づく患者選択基準と、修復・非修復治療後の臨床的・放射線学的転帰を分析すること。

結果

合計17研究、655例(665例)が登録され、そのうち42%(279例)がMMPRT修復術を受け、58%(386例)が非修復的治療を受けた。平均年齢は修復群で54.7歳32.5ヵ月、追跡期間は非修復群で57.0歳49.3ヵ月であった。本研究で得られた臨床データに基づき、MMPRT修復は軽度の関節症軽度の内反アライメント軽度の軟骨損傷を有する患者にほとんどが行われていた。データは限られていたが、軽度の軟骨損傷を有する患者の割合は非修復群でわずか40%であったことから、非修復群はベースラインでより進行した関節症を有する可能性があることが示唆された。各研究で得られたLysholmスコアに基づいて、修復群では良好な機能的転帰が得られたが、非修復群ではやや異質な結果となった。平均5年間の追跡研究の放射線学的転帰は、非修復治療でも修復治療でも関節症性変化を防ぐことができないことを示していた。

結論

一般的に、MMPRT修復は臨床転帰の有意な改善をもたらした。逆に、非修復群では、結果がやや不均一であったにもかかわらず、いくつかの選択された症例で症状の緩和が見られた。本レビューで報告された機能的結果のサブグループ分析を考えると、選択された治療法にかかわらず、満足のいく臨床結果を得るためには、厳密な患者選択が重要である。

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