診断

膝前方の痛み

膝前方の痛みは原因は違えど、若年者から高齢者まで訴えが多い痛みの一つです。

ここでは、膝前方に痛みをきたす14の原因の大まかな説明を行います。

ランナー膝

症状:膝前方の痛みがメインですが、膝蓋骨(お皿)に特化した痛みや、膝の動きに伴う骨がゴリゴリする感覚を認めることがあります。
ランニングやジャンプ、階段などの反復的な活動で悪化します。

原因:膝蓋骨の走行異常

膝を曲げ伸ばしする際には膝蓋骨(お皿)は大腿骨の溝(滑車といいます)を上下に移動します。このとき、膝蓋骨が無理なく滑車の上を走行できるのが普通ですが、これが何らかの原因により、困難になったなった状態です。

発症:時間の経過とともに徐々に症状が出てきます。

膝蓋軟骨軟化症

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eOrthopod.comより

症状:膝前方の痛みに腫れを伴うことがあります。膝の動きに伴いゴリゴリする感覚がします。

立ち上がったり、スポーツをしたり、階段を下りているとき、膝蓋骨を上から押して圧力をかけると上の症状(痛みやゴリゴリする感じ)が顕著になります。一般的に、若くて健康な人に起こります。

原因:膝蓋骨裏面の軟骨損傷

発症:時間の経過とともに徐々に症状が出てきます。女性に多いのが特徴です。

治療:筋力強化、ストレッチ、サポーター

膝蓋前滑液包炎

          JapaneseClass.jpより

症状:膝前方の痛み、赤み、腫れが生じます。膝をついたり、歩いたり、曲げたりすると症状が悪化します。

原因:膝蓋骨前方にある滑液包に炎症を起こします。

発症:配管工、主婦、庭師など、膝をつく時間が長い人に比較的多く発症します。膝の前面を強く打った後に発症することもあります。

治療PRICE、パッド付サポーター、注射

オスグットシュラッダー病

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          Osgood Schlatter.comより

症状:脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出して痛みを生じます。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。
休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。

原因:10~15歳の成長期の子供が、跳躍やボールを蹴るスポーツをし過ぎると、発生します。

治療: 成長期の一過性の病気で、成長が終了すると、多くは治癒します。この時期はスポーツを控えることが大切です。
大腿四頭筋のストレッチ、アイスマッサージなどを行い、痛みが強いときのみ、痛み止めを飲んだり湿布をしたりします。

Sinding-Larsen-Johansson 症候群

Sinding Larsen Johansson Syndrome - Physiopedia

症状:膝蓋骨下極(お皿の下)に痛みを生じます。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。
休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
急速な成長期の後(10歳から15歳)特に1つのスポーツに特化している思春期の女性で発症しやすいです。

原因:10~15歳の成長期の子供が、跳躍やボールを蹴るスポーツをし過ぎると、発生します。

治療: 成長期の一過性の病気で、成長が終了すると、多くは治癒します。この時期はスポーツを控えることが大切です。
大腿四頭筋、ハムストリングス、腓腹筋のストレッチ、アイスマッサージなどを行い、痛みが強いときのみ、痛み止めを飲んだり湿布をしたりします。

大腿四頭筋腱炎

      Illinois BONE &JOINT INSTITUTEホームページより

症状:活動すると悪化する膝蓋骨より上の痛みで、脱力感やこわばり、膝の腫れを伴うこともあります。

原因: 膝上の大腿四頭筋腱の小さな断裂により炎症を起こします。

発生: 時間が経つにつれて徐々に発症する傾向があり、ジャンプやスプリントを多く行ってきた人に起こる可能性があります。

治療: 安静、アイスマッサージ、筋力強化とストレッチ、膝サポーター、リハビリ

膝蓋腱炎 (ジャンパー膝)

           Physiocheck.co.uk より

症状:膝蓋骨のすぐ下の膝前方の痛みで、活動後に痛みが発症します。膝蓋腱が肥厚し、ジャンプやキックなどの反復運動で悪化します。

原因: 膝蓋骨直下の膝蓋腱の損傷

発症: 徐々に発症します。急激に発症するのではなく、通常は徐々に悪化します。

治療:安静、アイスマッサージ、膝サポーター

半月板損傷

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        INFO COMM SINGAPOREより

症状: 膝の腫れ、ロッキング(膝が動かなくなる)、不安定感、膝がまっすぐにならない、膝の動きで痛みを感じるのが特徴です。歩行やランニング、階段やスクワットなど、体重をかけると悪化します。

発症急な力により膝がねじれたりして発症することもあれば、徐々に摩耗して発症することもあります。

治療: 安静、PRICE、リハビリ、サポーター、必要に応じて手術

膝の捻挫

症状: 不安定感、膝折れ、受傷時の内出血、水がたまったり、膝が硬くなって動きが悪くなります。

原因: 膝の靭帯のいずれかを過剰に伸ばしたり、断裂したりした場合。怪我の重症度に応じて3つの等級があります。

痛みが悪化する活動: 重症度に依存しますが、体重がかかる活動であれば、どのような活動でも痛みが悪化する可能性が高いです。

発症: 急激な捻り動作

治療:PRICE, サポーター, 必要に応じて手術

大腿四頭筋の肉離れ

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症状:大腿部前部の痛み、腫れや内出血を生じます。階段や椅子からの立ち上がりなどが困難になります。

原因:大腿四頭筋が過剰に伸ばされることによって、断裂をきたします(症状は断裂の大きさによって異なります)

発症: 強制的に膝を伸ばした後の太ももの痛みや腫れ

治療: PRICE、リハビリ

膝蓋骨高位

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Easy Way Out-Quick Interpretation of Musculoskeletal Radiographs: The Lower Extremityより

症状:膝前方の痛み、不安定性、再発を繰り返す膝蓋骨脱臼

原因: 膝蓋骨が本来の場所より高すぎる位置にあるため、構造的なサポートが不足している

発症: 一般的には先天性のものですが、膝蓋腱断裂などの怪我の後に発症することもあります。

治療: PRICE筋力強化、リハビリ、サポーター、手術

変形性膝関節症

Depuy HPより

症状:朝方の膝のこわばり、膝全体の腫れ、クリック音やゴリゴリする感覚、膝の動きの低下。椅子などに座った後、急に立ち上がったりしたときに痛みがでますが、歩いているうちに症状が楽になります。50代以上の膝前方の痛みの最も一般的な原因です。

原因: 年齢的な変化や若いころの怪我が原因で起こることもあります

発症: 時間をかけて徐々に発症します

治療: 筋力強化ストレッチ、サポーター, リハビリ、注射、手術

離断性骨軟骨炎

5326362.jpg (280×280)

Osteochondritis Dissecans – Anterior Knee Pain (weebly.com)より

症状: 元々少し変に感じていた違和感が鋭い痛みに変化することがあります。膝の動きに伴って引っかかるような感覚が生じる。スポーツによる膝のねじれなどで悪化します。通常、10代の若者に多いです。

原因: 骨への血液供給が低下すると、骨や軟骨の破片が剥離します。

症状: あらゆる年齢で発生する可能性がありますが、最も一般的な年齢は10代です。男性は女性に比べて3倍多い発症率です。膝前部の痛みの原因としてはまれですが、膝の前方が痛いと訴える人もいます。

膝蓋骨の怪我(骨折、脱臼)

症状:かなり大きな損傷が原因で、激しい痛み、膝の腫れ、動きの制限が生じます。膝が変形しているように見えることがあります。すべての膝の動きで痛みを伴い、動きは痛みによって制限されます。

原因: 転倒、交通事故、転落

治療: 安静、サポーター、手術

滑膜ヒダ障害

症状: 膝の前側と内側の痛みが主で、圧痛があります。膝を動かすとパキっという音とともに痛みを生じる。

原因: 膝関節内にある滑膜ヒダの炎症

発症: 交通事故でダッシュボードに膝を打ち付ける、膝から地面に転倒するなど外傷が原因で起こるものと、頻繁な膝の曲げ伸ばしで発症する慢性的なものに分かれます。

治療:安静、筋力強化ストレッチ、抗炎症剤、ステロイド注射、難治性の場合は手術