治療

膝関節の痛み治療 TOP10

膝関節の痛みの治療は、痛み不安定性腫れを軽減し、弱った筋力を改善することを目的としています。

治療法の中には、膝を痛めて初期段階で効果を発揮するものもあれば、膝を痛めてしばらくたっている長期的な状態に適したものもあります。

膝の痛み治療を効果的に行うためには、症状だけでなく、痛みの原因を治すことに目を向ける必要があります。

しかし、痛みの原因が病的でない場合(病院を受診しても痛みの原因が見当たらない場合)は、今は大丈夫でも将来的に膝の病気に移行する可能性があります。

例えば、あなたが苦しんでいる症状は痛みや炎症が原因かもしれませんが、実際の原因は筋力の弱さ関節の不安定性かもしれません。

ここでは膝関節の痛みの治療法をTOP10形式に並べてみました。

1. P.R.I.C.E.

膝を怪我した場合に最初に行う最高の治療はPRICEです。PriceはProtect、Rest、Ice、Compress、Elevateの頭文字をとって覚えやすく略語化したものですが、これが結構使えます。

以前はRICEとして知られています。

このPRICEは、さらなる怪我から膝を守り、痛みや腫れを軽減し、治癒を早めるのに役立ちます。

PRICE

Protect:保護
Rest:安静
Ice:冷却
Compress:圧迫
Elevate:挙上

PRICEの様々な要素と安全で効果的な使い方について以下のセクションを参照ください。

2. 強化エクササイズ

以前もお話してきましたが、脚の筋肉を鍛えることは、膝関節痛の治療に最適な万能治療の一つです。

99.9%の場合、筋力低下が膝の痛みの主な原因です。筋力低下があると、より多くの力が関節を通過し、長期的な問題や怪我につながる可能性があるからです。

筋力強化エクササイズは、膝の強度と安定性を高めることで膝の機能を改善し、膝の痛みのほぼすべての原因を改善します。

3. 脚のストレッチ

筋肉の緊張は、力が関節を通過する際に、力が加わる方向を微妙に変化させるので、膝の痛みの一般的な原因となります。膝の治療計画の一環としてストレッチを行うことで、関節の緊張を軽減することができます。

あなたは、自分の筋肉が硬いかどうかわかりますか?

あなたの筋肉が本当に硬くなっているかどうか、ストレッチの恩恵を受けることができるかどうかを確認するための簡単なテストがあります。

また、様々な脚の筋肉、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、ふくらはぎ、ITBのストレッチ方法や、ストレッチをする際に最小限の労力で最大限の効果を得る方法も紹介していきます。

4. 薬物療法

薬物は、膝関節痛治療のために最も一般的に使用される手段の一つです。カロナールなどの薬は痛みを軽減するのに役立ち、NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)、例えばロキソニン・ロキソプロフェンは腫れを軽減するのに役立ちます。薬を服用する前には、必ず医師に相談してください。

5. 温熱療法

氷は、怪我や変形性膝関節症の初期段階で膝関節の痛みの治療で重要な役割を果たしています。

氷は患部への血流を減少させるので、関連する腫れや痛みを軽減します。

氷を使用する時は、特別にデザインされた氷嚢からインスタントアイスパックまで、様々な方法があります。

温める時は、怪我して間もない時期はお勧めできません。長らく関節炎を患ってきた患者さんに効果的です。

熱は2つの方法で作用します。

まず第一に、治癒を促すために新鮮な血液を増加させ、酸素、栄養素を送り届ける際に役立ちます。

第二に、熱は痛みを和らげ、筋肉をリラックスさせます。

温める方法としては、電子レンジで温めることができるような、湯たんぽ(カバー付き、またはタオルに包んだもの)を使用すると簡単です。一回、20分程度使用してください。


感覚が低下している場合や腫れがある場合は温めないようにしましょう。

6. 膝サポーター

サポーターは、関節をサポートして保護し、痛みや炎症を軽減し、保温して治癒を促進するための素晴らしい方法です。装具を使用することで、スポーツや日常生活での痛みを和らげます。

7. 膝の注射

注射は、通常、軟骨の摩耗や関節炎など、長い間、膝の痛みを経験してきた患者さんにとって有用な治療になります。

使用される注射には主に2つのタイプがあります。

コルチコステロイド注射:ステロイドと局所麻酔薬を混ぜたもので、痛みや腫れを抑えるのに役立ちます。

ヒアルロン酸注射:関節の潤滑性を高め、関節炎の治療に特に有効です。

膝の注射のセクションでそれぞれのリスクと利点を見てください。

8. 鍼治療

鍼治療は、痛み止めを内服しなくても痛みを和らげることが出来る効果的な方法の一つです。

針は膝のまわりのさまざまなポイントの苦痛信号を妨げ、循環を改善するために置かれます。

鍼治療について知りたい人はこちらのセクションを見てください。

9. 圧迫包帯

日本では足首の捻挫やギプスシーネを巻くときの良く使われていますが、特殊な伸縮性のある包帯で、圧迫して腫れを抑え、サポートします。

我々整形外科医は好んで使用しますが、非常に快適です。適度な力が関節をサポートしてくれるため、痛みが強い場合や、ちょっと違和感があるときなどに力を調整できるという点で利便性が高いです。


10. 膝の手術

多くの場合、ここで紹介した膝関節痛の治療法は素晴らしい効果を発揮しますが、頑固な関節の痛みには手術が必要になることもあります。

関節鏡(内視鏡)のような小さな手術から、人工関節置換術のような大きな手術まで様々ですが、通常、結果は満足いくものとなります。