保存療法

変形性膝関節症の保存療法 第2回 有酸素運動について

運動は、痛みと身体機能の制限の両方に効果があることが証明されています。
実際、運動は、線維筋痛症、非特異的腰痛、および変形性関節症を含む、さまざまな慢性筋骨格系疼痛において、鎮痛効果があることが実証されています。

しかし、現在のところ、変形性膝関節症患者が運動をするうえで、以下の要件に明確に定義されたパラメーターは存在しません。

・どんな運動がいいの?
・一日どれくらいやれば? 週にどれくらいやれば?
・持続時間はどれぐらい?
・どれくらいの強さで?

明確な定義のない”運動療法”。それでも、効果のあることだけはわかっています。

では、何のために運動をするのか?

大まかに言えば、痛みをやわらげ、関節を長持ちさせることが最大の目的です。

自宅での運動プログラムを実施した研究結果では、治療直後に痛みを軽減し、数週間から数ヶ月の期間にわたって持続的に改善することが示されている。自己申告ではありますが、この集団における運動は生活の質(家事や買い物)の改善にも関連していました。

運動とは、エネルギーの消費を必要とする自発的な身体運動を意味する一般的な用語です。

運動と表現されるものはたくさん存在しますが、変形性膝関節症の治療における運動の使用を支持するエビデンスがあるのは限られた範囲に限定されます。

変形性膝関節症患者の治療において最も強いエビデンスがある活動は、有酸素運動抵抗力トレーニングです。

今回は有酸素運動について考えようと思います。

有酸素運動とは?

人間が活動する時は酸素を使用します。酸素を筋肉で効率よく使用することでエネルギーを作り出し、これを消費します。

体の中にある燃料(糖・脂肪)と呼吸によって取り入れる酸素を使って筋肉を動かすためのエネルギーを作るのです。これを酸化代謝といいますが、

有酸素運動は、エネルギー生成のために酸化代謝を必要とする持続的な身体活動を特徴とします 。

ウォーキング、水泳、サイクリング、およびジョギングはすべてこのカテゴリーに該当します。

ウォーキング

ウォーキングは最も身近な有酸素運動の形態であり、変形性膝関節症患者の疼痛の軽減身体機能の改善を支持する強力な証拠があります。

正式なウォーキングプログラムは、歩行能力の向上、大腿四頭筋の筋力向上、および変形性関節症に関連した膝の痛みの軽減につながることが示されている。

それでは、どのくらいの頻度でやればいいか?

・週に2~3回、20~60分で十分です。

できれば、軽いストレッチや、その場で少しスクワットを追加するとさらに効果的です。

過度な負担にならないようにすることが大切です。一部の患者さんではウォーキング後に関節痛の悪化を経験することがあるからです。

膝への負担を軽くしながら運動するため、歩いた直後の疼痛の軽減は珍しいことではありませんが、効果は小さく、改善を観察するのに数ヵ月を要することもあるので、根気強くやることが必要です。
一人で頑張るよりもグループでやる方が効果的ですね。

ウォーキング

・週に2~3回、20~60分
・ストレッチや軽いスクワットを追加する
・張り切りすぎない(膝の痛みと相談)

水中エアロビクス

近年、スポーツジムなどで積極的に取り入れられてきた運動ですね。これまではしっかりとしたエビデンスがなかったのですが、前評判通り、その効果が実証されました。

水の浮力は関節にかかる体重負荷を軽減し、陸上でのエアロビクスに比べて痛みの軽減に寄与する可能性があります。

検討された研究では前述のウォーキングプログラムと同様に、一般的には週2~3回、一度に30~60分間
温水プールで6~8週間かけての指導付きの運動を行うことで構成されていました。

水中エアロビクス

・週に2,3回 30~60分
・2か月間は頑張る

ランニングやサイクリング

ウォーキングに加えて、ランニングやサイクリングなどの高強度の有酸素運動も、痛みや機能障害に対する効果の可能性について調査されています。

最近の研究で変形性膝関節症患者において、低強度の運動に比べて高強度の運動が臨床的に有益であるというエビデンスが低いことが示されました。
つまり、低強度(ウォーキングや水中エアロ)のほうが有益ということがわかりました。

運動強度のレベルが痛みの軽減や機能的な改善と強く結びついているわけではないかもしれません。