病態

痛風膝

膝の痛風(痛風膝)とは

原因:血液中に尿酸が多く存在する

症状:数時間で急速に表れる激烈な痛み

回復までの期間:2~3週間

痛風は、100人に1~2人が影響を受けるかなり一般的な病気です。痛風は膝に影響を与えるだけでなく、手、足の指、足首、手首にも影響を与える可能性があります。しかし、リウマチの様に一度に多発性に関節痛を発症することは少なく、ほとんどの場合、一度に1つの関節にしか発症しません。

この痛風の症状が膝に来ることを痛風膝と言います。

痛風膝は、膝関節の激しい痛みと腫れを特徴とする炎症性疾患です。
男性は女性の2~3倍の確率で発症し、発症のピーク年齢は75歳です。痛風は非常に痛みを伴うことが多く、再発することもよくあります。

急に膝が熱くなったり、痛くなったり、赤くなったり、腫れたりする場合は、痛風膝が原因である可能性が高いです。 ここでは、痛風膝の一般的な原因、痛風膝の症状と治療法、痛風膝の診断を紹介します。

痛風の原因は?

痛風の膝の痛みは、血液中に尿酸、別名尿酸塩が多く存在するときに発症します。

尿酸は、多くの食べ物の老廃物です。通常は尿として排出されますが、体の代謝や尿酸の分解の仕方に問題がある場合に体の中に蓄積します。

大きく分けると、次のいずれかが原因となります。

腎臓が尿酸を十分に排出できない (90%程度はこのケース)

尿酸過多(10%以下)

尿酸のレベルが高すぎると、軟部組織に結晶が悪さをします。通常は膝のような1つの関節の周りに結晶ができます。

痛風 - Wikipedia
Wikipediaより

痛風の結晶は、組織の炎症反応を引き起こし、結果として局所は熱くなり腫れて赤みを伴い痛みの出る関節痛を引き起こします。

この結晶は冷たい温度で形成されるため、痛風が手や足に多く発生する理由です。

痛風膝の症状が出る前には数年間かけて、徐々に尿酸値が上がっていることもあります。

どんな人が痛風になりやすいか?

人によっては痛風になりやすい人もいて、血中の尿酸値と膝の痛風の症状との間にはほとんど相関関係がないことが多いです。

実際、痛風の人の約50%は高尿酸血症と呼ばれる状態ではありません。

他にも痛風膝痛になりやすい要因はいくつかあります。

 遺伝的な影響:約20%のケースで遺伝的なつながりがあると考えられてい  
        ます。

 年齢:一般的には75歳にピークを迎えますが40歳以上の人々に起こる可
    能性があります。

 肥満:特に急激な体重増加。BMIが35を超えると、リスクが3倍になりま
    す。

 食事:約12%を占めます。危険因子としては、過度のアルコール摂取、特
    に暴飲暴食、果糖系飲料、魚介類などが挙げられます。

 医療を必要とする状態:腎臓病および/または代謝の問題

 薬:高血圧、心不全、浮腫の治療に使用される利尿剤の中には尿酸値を上
   げる作用があります。

 外傷:ケガや手術後に痛風膝を発症することがあります。

女性の場合、痛風膝は閉経後になる傾向がありますが、思春期以降であればいつでも発症する可能性があります。これは、エストロゲンの影響によるものと考えられています。

痛風膝の症状は?

多くの場合、膝の痛風の症状は数時間で急速に発症します。

よくある痛風膝の症状としては、以下のようなものがあります。

– 痛みと腫れ:膝の関節はすぐに熱くなり、腫れて赤くなり、非常に痛いで
       す。

– 夜間の発症:痛風膝の症状は、通常、体温が低下しているときに起こるた
       め、夜間に始まることが多いです。

– 皮膚の変化:膝関節の周りの皮膚はピカピカと光沢がでます。時々、皮膚
       の直下にコリコリとした結節を伴うこともあります。

– 発熱:痛風の結果、熱が出ることがあります。

– 機能の低下:痛風膝は、歩行や階段の上り下りなどの体重を支える動作に
       おいて信じられないほどの痛みを伴います。

痛風膝の診断は?

通常、整形外科医であれば、あなたの症状や危険因子、過去のエピソードなどの既往歴を考慮することで、痛風膝を診断することができます。

血液検査を行う目的は痛風の診断ではなく腎機能のチェックが主な目的です。(血液検査で確認される尿酸値と痛風の症状は必ずしも相関しません)。

腎機能の低下がみられた場合、内科の医師にコンサルトして治療してもらわなければなりません。

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痛風性関節炎の診断には関節液を採取して、顕微鏡で見て診断する直接法が最も信頼性が高いと言われています。

痛風膝の治療は?

膝の痛風は治療せずに放置しても、通常2~3週間で落ち着きますが、時々難治性となることがあるので、しっかりと治すことをお勧めします。

治りを早めるためにできることはいくつかあります。

  1. NSAIDS
    ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)に代表される非ステロイド性抗炎症薬は痛風の症状が出てきたらすぐに服用すると効果的です。時々、内科の先生は好んでカロナール(アセトアミノフェン)を処方しますが、効果はありません。腎機能が透析に近い状態であればロキソニンの処方はお勧めできませんが、短期間のロキソニン内服によって著しく腎機能が悪くなるということは考えにくいです。
  2. 安静にする
    膝の痛風には、安静が大切です。腫れを抑えるために足を上げ、激しい運動を避け、できれば、松葉杖などをついて体重負荷を制限します。
  3. ステロイド
    ステロイド剤は、経口または注射で服用することで、痛風の膝に関連する炎症や痛みを軽減することができます。しかし、しっかりと診断をつけてから使用しないと取り返しのつかない状態になります。それは、細菌感染をした関節炎も同じような症状が出るからです。細菌の巣にステロイドを使用するということは、火に油を注ぐ様なものです。
  4. コルヒチン
    高尿酸血症の患者さんにはコルヒチンを使用することがあります。コルヒチンは尿酸塩の蓄積を減らすのに役立ちますが、気分が悪くなったり下痢をしたりすることがあります。
  5. 氷で冷やす
    氷を使って関節を冷やすことで、痛風の痛みや腫れを抑えることができます。

痛風膝はどれぐらいで治る?

膝の痛風は、どのくらいの期間続くのでしょうか?

膝の痛風のほとんどのケースは、突然起こり、短期間で終了します。放置したとしても、痛風膝のほとんどは数週間後に落ち着きます。

残念なことに、一度通風性関節炎を発症すると、症状を繰り返すことは一般的であり、ほとんどの人は6ヶ月から2年後に痛風の膝の痛みが再発することになります。

痛風患者の60%が1年以内に再発すると言われています。

痛風膝を予防するには?

痛風の発症率はここ20年で倍増しています。これは、平均寿命の延長、食生活の変化、痛風関連疾患の増加が原因と考えられています。

ここでは、痛風予防のためにできることをいくつか紹介します。

1. 過度のアルコール摂取を避ける:アルコール(特にビール、やワイン)は尿酸値を増加させます。

2. 体重を減らす: 肥満は痛風のリスク因子です。

3. 果糖入り飲料を避ける

4. プリン体が多く含まれる食べ物を控える:一般的には魚介類や魚卵に多く含まれていると言われています。

5. 医者に診てもらう: 当然ですが、医者に診てもらうことをお勧めします。今飲んでいる薬に影響がある場合もありますし、知らず知らずのうちに腎機能が低下しているときもあります。

6. しっかり水を飲む: 脱水症状を防ぐために 1日1.2リットル程度を目安にしましょう

プリン体を含む食べ物は多いですが、細かなことは栄養士さんが専門です。
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