人工膝関節置換術後に聞きたい事

人工膝関節置換術後の回復期間

人工膝関節置換術を受ける患者さんの多くは、手術した後に、いつ元の生活に戻れるかを不安がられています。今回は人工膝関節置換術後の回復時間について話していきます。

回復期間に影響を与える要因はたくさんありますが、一般的には3~6ヶ月で通常の生活活動に戻ることができます。

具体的には、整形外科医、理学療法士と話をする際に耳にすることがある用語である「短期回復」と「長期回復」の違いを調べてみましょう。

短期回復とは、患者さんが最低限の補助具(歩行器や杖)を使って歩くこと、または補助具を使わずに歩くこと、そして一般的な鎮痛剤で痛みのコントロールが可能になることを意味します。この状態になるには一般的に手術後12週間以内に起こります。

長期的な回復とは、仕事や通常の生活活動への復帰のことです。通常の日常生活の再開に加えて、手術の傷や内部の軟組織が完全に治癒することを意味します。

短期回復とは

短期回復とは、病院のベッドから出られるようになったり、退院できるようになったりするなど、回復の初期段階を指します。

施設によって差はありますが、術後1日目または2日目には、ほとんどの患者さんに歩行器を使用して歩いてもらいます。

短期的な回復には、手術するまで内服していた、または、術後の痛みのコントロールのために新たに追加された鎮痛剤を飲まなくても十分な睡眠がとれるようになることも必要です。私の経験では術後2週間を過ぎるころには、半分ぐらいの患者さんが痛み止めなしで十分な睡眠がとれるようになります。

患者さんが歩行補助具(歩行器や杖)を必要としなくなり、家の周りであれば痛み無く歩けるようになる。休憩することなく1㎞以上歩けるようになる。

このような指標は短期的な回復の兆候と考えられています。膝全置換術の平均的な短期回復期間は約12週間です。

短期回復

・平均12週を要する
・これまで使用していた補助具なしで歩行できる
・家の周りであれば痛み無く歩ける
・休憩なしで1㎞以上歩ける

長期回復

長期的な回復とは、手術創や内部の軟部組織が完全に治癒するための期間です。術後3か月時点で上に書いたような短期回復の兆しが見えている患者さんは、心配いりません。長期回復に向けての道を歩んでいます。つまり、長期回復へ向けて順調に治癒していると思われるの指標は、順調な短期回復を送れているかどうかです。

平均的な長期回復の期間には3か月から6か月にかかります。

手術した後の膝の腫れはおおよそ3,4か月はかかります。これは患者さんによってはもう少し時間がかかることがありますが、長期回復が完了する術後半年ですっかりスリムになります。

長期回復

・通常6か月はかかる
・手術の傷や内部の軟部組織が完全に治癒する時間

回復を早めるには?

回復時間に影響を与える要因はいくつかありますが、50年以上の経験を持つ整形外科の看護師の方たちに話を聞くと、前向きな姿勢がすべてだと話されます。

多少の痛みを覚悟しながらも、真面目に仕事をして普段の生活に戻る。何より、将来が明るいものになることを期待していなければなりません。

人工膝置換術関する情報を入手し、強力なサポートネットワークを持つことも回復には重要な要素です。私が手術した患者さんの中には手術後、入院中に仲良くなった患者さんと、お互いを刺激しあいながら前を向いて進んでいく方がおられます。このような方たちは治りが早い印象があり、少々のことはお互いに自己解決しているようです。

そのようなネットワークをつなげるためにも、このブログを活用してもらえればうれしい限りです。手術は幸せになるために受けるものであって、術後の痛みに1人で耐え抜くものではありません。

お得な情報や正しい情報を共有できれば患者さんが患者さんをハッピーにできると信じています。