保存療法

変形性膝関節症の保存療法 第3回 抵抗トレーニングについて

抵抗トレーニングは有酸素運動と並んで、変形性膝関節症の治療において最も強力な裏付けとなるエビデンスをもっています。変形性膝関節症の患者さんは、大腿四頭筋、ハムストリングス、股関節外転筋など、複数の筋群にわたって相対的に筋力が低下していることが知られています。

重要なことは、この弱さは機能障害と関連しているということです。
機能障害とは見た目は変わりがないのに動きが悪くなるイメージです。

抵抗トレーニングとは

抵抗トレーニングとは整形外科を受診した際に勧められる最も一般的な筋力強化訓練です。代表的な運動を下に紹介します。日本整形外科学会から出されているパンフレットです。非常にわかりやすいため、是非見てみてください。

knee_osteoarthritis

ご覧になられたでしょうか?

毎日することがお勧めですが、膝の痛みや体調もあるため週に2-3回はやるようにしましょう。

このような筋力強化柔軟性、およびバランス活動の利点は、最終的に膝の手術(人工関節など)を受ける患者さんにとっても、術後の回復に有利に働くことがわかっています。

その人にあった運動プログラム

パンフレットに書かれたバランス活動では患者個人によって複数の異なる種類の運動に参加するなど、マルチモーダルなアプローチで身体活動を行うこともあれば、1つの活動に限定して行うこともあります。

どちらが良いということはないですが、これまでの運動経験、嗜好(趣味)、地域社会の資源(スポーツできる場所)を考慮してプログラムを作成してあげることが本当は重要なんです。

個々人に合った正確な運動処方箋を作成することが大事で、多くの患者さんは慢性的な痛みや疾患による障害を抱えているため、運動をしたがらない人が多いのが実情です。

どのようなプログラムでやるべきか、かかりつけの医師に中々聞けない人は、一人で始めようとしないでください。新たなコミュニティーに飛び込んでみるのも刺激があっていいと思います。

自分一人で運動をすることは中々ハードルが高いので、仲間を見つけて楽しく話しながらやるのがいいのではないかと思います。

次回は減量について書いていきます。