膝のストレッチは、膝の痛みを解消する手段としては欠かせないものです。
硬い筋肉は膝に不必要な力を加え、痛みの増悪に繋がるからです。
膝蓋骨の動きを例に挙げて少し解説します。
膝蓋骨は通常このように動いています。英語で解説してありますが、画像を見るだけで十分です。
始めの部分だけ見てください。
大腿四頭筋が硬くなっていると、膝蓋骨が上に引っ張られ、本来通るコースを少しだけですが外れてしまします。
これにより大きな力が膝蓋骨に伝わり、軟骨が摩擦を受け膝蓋骨軟化症を引き起こす原因になります。
それを補うためには柔軟な筋肉を取り戻してさらに筋力をつけるか、サポーターを使用します。
筋肉にはそれぞれ最適な長さがあります。
筋肉は、指のかみ合わせのように、互いに重なり合うフィラメントでできています。
筋肉がきついと、繊維が重なりすぎて結果的に柔軟性に欠け、膝の動きが制限されてしまいます。
ここでは、まず、あなたの筋肉が硬いかどうかを判断します。自分の筋肉が硬くなっているのかどうかを知ることから始めましょう。
体が通常の人よりも硬いと感じたら、ストレッチのやり方に進みましょう。
最後に、最小限の努力で最大限の効果を得る方法についても紹介しようと思います。
筋肉の硬さを判断する
筋緊張が痛みの原因となっているかどうかを知る最も良い方法は、理学療法士の診察を受けることです。
しかし、皆が理学療法士に見てもらえるわけではありません。そこで、自宅でできる簡単なテストがいくつかあるので紹介します。
ハムストリング(裏太もも)
仰向けに寝ます。股関節が自分の背中に対して垂直になるように膝立てをします。
股関節は動かさずに膝をまっすぐに伸ばしていきます。
足を垂直に上げたときに膝の曲がり具合を見ます。
女性は20°以内、男性は30°以内の膝屈曲に収まるようにしましょう。
Tight Hamstrings: test & improve your flexibility より
大腿四頭筋(前太もも)
まずベッドの端に座ります。
片方の膝を胸に抱きかかえるようにします。
もう片方の足はリラックスします。
片膝を抱え込んだままゆっくりと後ろに倒れます。
もう片方の足はリラックスです。リラックスした膝の角度を見ます。
膝の角度が90度以下(座っているときよりも足が上に上がっている)の人は大腿四頭筋が硬くなっています。
Hip Flexor Stretch for Tight Hipsより
ストレッチの強度
「痛みなしに成長なし」
ストレッチを行うときには適度な不快感(痛みはあるけど何とか耐えられる)を感じることが必要です。
痛みを感じるのはストレッチを行っている間だけで、ストレッチを止めるとすぐに痛みが止まるはずです。
ストレッチをしても何も感じない、またはわずかな不快感しか感じない場合は、そのエクササイズはあまり効果的ではないと思ってください。
しかし、ハムストリングスの肉離れなどの筋肉を損傷している場合は、あまり早くストレッチを始めるべきではありません。膝のストレッチを始める前に、痛みなく筋肉を使えるようになるまで回復を待ちましょう。
ストレッチのやり方
初めての方は筋肉ごとにストレッチを行うことをお勧めします。上のテストで体が硬いと自己判断した場合はこれから紹介する動画を参考にストレッチをやってください。
時間がない人は大腿四頭筋とハムストリングだけでいいです。
これから紹介する動画は医師の監修が入っているのでとても信頼できます。
大腿四頭筋・腸腰筋のストレッチ
ハムストリングのストレッチ
ふくらはぎのストレッチ
お尻の筋肉のストレッチ
太ももの外側のストレッチ
最小限の努力で最大の効果を
実は、最小限の努力で最大の効果を得るための効果的なストレッチについて多くの研究が行われています。
結論は以下の通りです。
- 30秒間続ける
- 1度に3回繰り返す
- 1日1~2回行う