ある日、おばあさんは膝が痛いので病院に行きました。
湿布と痛み止めを貰って帰りましたとさ。。
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今日はどうされましたか？
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１か月前から膝が痛いのですが。。。
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膝が痛いんですね。ちょっとレントゲンを撮ってみましょう。
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どうでしたか？
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膝の軟骨が痛んでますね。とりあえず、湿布と痛み止めで様子を見ましょう。痛みが続くようでしたらまた来てください。注射してみましょう。
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そうですか。。
わかりました。
でも、湿布と痛み止めだけでよくなりますか？
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痛みが続くようでしたらまた来てください。注射してみましょう。
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満足していますか？
湿布・痛み止め・注射・電気治療
病院の外来では “膝が痛くて。。” という患者さんと日々向き合っていま
す。私が働いている病院の性質上、紹介受診が多いのですが、紹介される患
者さんの多くが、前医での治療に満足していない印象をもちます。その理由
は先生と話す時間が少なく、まともに見てもらえないという答えがほとんど
です。そのため湿布・痛み止め・注射・電気治療が横行しているように思い
ます。
本来、診断をして治療を行うのが医師の仕事であるにも関わらず、診断をま
ともにされず、治療されているケースを多く見かけます。これは、日本の
医療制度にも原因があるのですが、一人の診療にかける時間があまりにも少
ないという実情が大きいと思っています。つまり、国の定める医療制度が変
わらない限り（変わるとは思えませんが）この状況は継続されるでしょう。
活動性の高い高齢者
元気な高齢者はどんどん増えている
一昔前までは、会社を退職をした後にスポーツジムに通ったり、テニスをし
たりする高齢者は少なかったと思います。活動性の低い高齢者が膝が痛いと
なれば、一律に変形性膝関節症（軟骨がすり減って痛みが出る病気）の病名
がついていました。そのため、治療も単純化していたのです。近年、健康意
識が高まりスポーツをする活動性の高い高齢者が増えています。
元気な高齢者が増えている現代、 湿布・痛み止め・注射・電気治療 などの
単純な治療ではなく、一人一人の膝の痛みをしっかりと診断して状態に応じ
た治療を提案する必要があると私は考えています。
変形性膝関節症
症状（痛みの場所、程度、持続時間など）におけるカテゴリー分類
このブログでは変形性膝関節症という大きな枠で膝の痛みを考えるのではな
く、膝の痛みを症状として捉えることを目的としてます。その理由は、変形
性膝関節症はいわゆる”風邪”という大きな枠に過ぎないのです。 風邪でも熱
はあるのか、どこが痛むのか、鼻は出るのか、呼吸などの症状を診察し、薬
や治療方法を選択するはずです。 変形性膝関節症も同じように、痛みの場
所や程度、いつ痛むのか、変形の程度、歩行距離など、様々な症状を把握
し、治療を選択する必要があるということです。
ここでは膝の症状をカテゴリーにわけて考えます。自分がどのカテゴリーに
入るかを考えながら読んでいただけると、カテゴリーに準じた治療、および
進行予防に必要な知識を共有できると思います。
次回からは具体的にお話していきます。
